PerQASプロジェクト: Web/Ambientサービスコンピューティングのためのソフトウェア開発基盤

Engineering Methods and Infrastructure for Pervasive, Quality-Assured Composition and Delivery of Web & Ambient Services

プロジェクト概要

近年、ソフトウェアの機能を再利用可能なサービスとして公開するとともに、それらを組み合わせることにより新たなサービスを構築(合成)するサービス指向の考え方が広く注目されています。現在、相互接続性等の技術的課題は解決され、まずは企業等の組織に閉じた形での導入が広がってきています。

しかし、サービス指向がそもそも想定していた、組織をまたがった、動的・適応的なサービス連携には課題が多く残されています。特に、

多様なサービスから選択し、連携させて新たなサービスを合成・提供する際、
契約やポリシーといった概念に基づいて、
どのようにその質や、要求が満たされていることを保証するか?

という大きな問題が残っています。この問題に対して、活発な議論が行われていますが、十分な方法論やツールはいまだ確立されていません。

さらにこの問題は、近年注目されているユビキタス社会への発展において非常に大きな障害となります。物理的なデバイス等もサービスとしてソフトウェアが管理し、ユーザにとって有用なサービスをその場で合成・提供するユビキタスサービスのビジョンは広く受け入れられています。しかし、その実現に際しては物理的な制約や状況変化を含めたより複雑、動的な環境でサービスの質を保証しなければなりません。

PerQASプロジェクトにおいては、特にユビキタス環境において、質が保証されたサービス合成・提供を行うソフトウェアの構築のための科学的な方法論およびツールの研究開発を行っています。またそれらを実用的なものとして一般に広く提供し、普及させることを目的としています。まとめると、

物理的デバイスやWeb上のサービスを組み合わせて新たなサービスを組み立てるソフトウェアに関し、
その質や信頼性を科学的に保証しての構築のための手法・ツールを確立することにより、
組織をまたがった、様々な物理的・仮想的サービスの連携、流通、活用を促進する。

主な連携機関・メンバー

国立情報学研究所 : 石川冬樹(リーダー)
東京大学 本位田研究室
早稲田大学 深澤研究室

プロジェクトのホームページ

主な論文

Florian Wagner, Benjamin Kloepper, Fuyuki Ishikawa, Shinichi Honiden, Towards Robust Service Compositions in the Context of Functionally Diverse Services, The 21st International World Wide Web Conference (WWW 2012), April 2012

Adrian Klein, Fuyuki Ishikawa, Shinichi Honiden, Towards Network-aware Service Composition in the Cloud, The 21st International World Wide Web Conference (WWW 2012), April 2012

PerQASプロジェクトの全論文 »

研究紹介シリーズ

【第2回】ネットワークサービス合成・流通のためのソフトウェア工学プロジェクト
ユビキタス社会の実現に欠かせない”品質”を確かなものとする

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